ブログを書こうと思っても、手が止まる。
「今日はやめておこうかな」と思った経験はありませんか。

今では当たり前のように書いていますが、最初の頃はそんな感覚でした。何を書けばいいのかも分からないし、誰に向けて書けばいいのかも分からない。だから特別なテーマがあるわけでもなく、ただ何となく思ったことを書いていました。

ところが、しばらくすると不思議な感覚が湧いてきます。「こんなに面白くないことを、なぜみんなは書いているんだろう?」と思って、他の人のブログを見に行ってみたんです。すると意外にも、みんな楽しそうに書いている。それを見たときに気づいたことがあります。ああ、これは「書くこと」が面白いだけでなく、「続けている人の世界」が面白いんだな、と。

人は、新しい世界に踏み出そうとするとき、不思議な感覚に包まれます。アクセルを踏んでいるのに、同時にブレーキも踏んでいるような感覚。進みたい気持ちと、止まりたい気持ちが同時に働くような状態です。今までと違うことを始めるとき、脳は「やめておいた方がいいのでは?」という見えないブレーキをかけてきます。

行動を止める「先延ばし」

このブレーキの正体は、とてもシンプルで、それが「先延ばし」という甘い誘惑。継続していたことが、ふと途切れる瞬間は、些細なことから始まるものです。「一回くらい休んでもいいか」「今日だけは特別」そんな小さな気の緩みが、二日、三日と続き、気づけば一か月。再開しようと思ったときには、また別の言い訳が始まります。「もう少しモチベーションが上がってから」「やるからには完璧に」「時間に余裕があるときに」。こうして、人は動けなくなります。

でも、こんなときに自分を楽にしてあげる方法があります。それは「自分に許可を出すこと」。何を書いてもいい。三行くらいのつぶやきでもいい。人の評価を気にしなくていい。そんなふうに自分に少しだけ逃げ道をつくってあげて下さい。完璧を目指すほど人は動けなくなりますが、少し力を抜くと不思議と動き出せるものです。

1000日修行で学んだこと

実は、私にも忘れられない経験があります。以前、アメブロで「1000日修行」と名付けて、毎日ブログを書くことに挑戦しました。一日も休まず、内容もある程度の濃さを保ち、1000文字強の記事を書き続けるというもの。最初の一週間は正直かなり苦痛でした。何を書けばいいのか毎日悩み、時間もかかり、「これは続かないかもしれない」と思ったことが何度もあります。

それでも「今日は三行でもいいから書こう」と自分に許可を出しながら続けていくと、少しずつ書くことが習慣になっていきました。結果として、その挑戦は1000日を超え、最終的には1100日以上、書き続けることができました。今振り返ると、この経験は私にとって大きな自信になっています。

特別な才能があったわけではありません。続けるために必要だったのは、ただ一つ「自分に許可を出すこと」だけでした。

行動がモチベーションを生む

ほんの少しでも行動を始めると、不思議なことが起きます。くすぶっていたエンジンに火がついたように、だんだん気持ちが乗ってくるんです。これは心理学でも知られている現象で、「作業興奮」と呼ばれています。モチベーションが上がるから行動するのではなく、行動するからモチベーションが上がる。多くの人がこの順番を逆に考えてしまいます。

「やる気が出たらやろう」と思っている限り、人はなかなか動きません。けれども、「少しだけやってみよう」と動き始めると、自然と気持ちがついてくるのです。三行でもいい。一分でもいい。完璧でなくてもいい。自分に許可を出して、ほんの少しだけ動いてみる。その小さな行動が、止まっていた歯車を静かに動かし始めます。

これはブログに限った話ではありません。仕事でも、勉強でも、人間関係でも同じです。人は、動くことでエネルギーが生まれます。もし今、何かを始めようとして止まっていることがあるなら、まずは自分にこう言ってあげてください。「完璧じゃなくていい」「少しだけやってみよう」と。

たったそれだけの小さな許可が、新しい一歩を動かしてくれることがあります。そしてその一歩が、思っている以上に大きな変化につながることもあるのです。

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投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

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