男性が気軽に悩みを話せる場はまだまだ少なく、社会的なプレッシャーを一人で抱えてしまう方も少なくありません。
今回、私が実際に『男性限定・頑張らないコミュニケーション講座』に参加してきました。参加した男性は、40代から60代で全体で20名くらいの人数でした。3~4人のグループに分かれてワークショップ主体でしたから話しやすい場づくりだと感じました。ここではその体験を通じて感じたこと、得られた気づきをご紹介します。

1. ジェンダーとコミュニケーションにおける男性の課題

この講座では、日常の会話を通じて、相手の話に丁寧に耳を傾け、自分の感じたことをゆっくりと話すことを重視しています。特に、否定的な意見を避け、アイメッセージを使って自分の意見を表現することが推奨されていました。

ジェンダーと男性のしんどさ

ジェンダーに関する固定観念が男性に与える影響について議論されました。特に、男性が困ったときに頼りにくい状況や、社会的な役割に対するプレッシャーが取り上げられました。

データに基づくジェンダーの影響

男性が困ったときに頼りにくいというデータや、性別による役割分担に関する統計が紹介されました。これにより、男性が社会的に孤立しやすい状況が浮き彫りになりました。

2. 身体障害者としての生活の課題と世代間の価値観の違い

身体障害者としての生活の課題

身体障害者としての生活の中で、電車での席の確保やペースメーカーの影響などの課題について話し合われた。

世代間の価値観の違い

異なる世代間での価値観の違いについて、特に団塊世代と若い世代の考え方の違いが議論された。

家族と仕事のバランス

家族や仕事における役割や期待について、特に男性の役割に関する考え方が話し合われた。

3. ジェンダーと性別役割に関する意識とその影響

男性同士のイベントの欠如

男性同士がジェンダーについて話し合う機会が少ないことが指摘され、参加者が意見を共有する場の重要性が強調された。

性別役割意識の調査

年齢別に性別役割意識を調査し、年齢が高いほど伝統的な性別役割を支持する傾向があることが議論された。

男らしさの意識

参加者の中には男らしさを気にしない人もいれば、気にする人もいることが話し合われた。社会的な期待が個人に与える影響についても議論された。

男性の生きづらさ

男性が強いとされる社会的な期待が、実際には生きづらさを生むことがあると指摘された。男性の弱さが無視されがちな社会の風潮についても議論された。

学校での性別役割

学校での性別役割に関する経験が共有され、性別による分断が生じることがあると指摘された。

4. 個人の経験と視点の重要性

いじめの経験とその影響

参加者が小学校時代のいじめの経験を共有し、その経験が現在の自分にどのように影響を与えているかを話し合った。

女性の視点の重要性

建築や災害時の避難所設計において、女性の視点が重要であることが議論された。

5. ジェンダーと多様性

震災時の男女の役割

阪神淡路大震災時の経験を通じて、男性と女性の役割についての意識が変化したことが語られました。時間が経つにつれて、男性が女性を守るようになり、女性は男性に頼るようになったとされています。

多様性とジェンダーの自由

社会の成熟には多様性が必要であり、ジェンダーは自由であるべきだと議論されました。性的マイノリティの考え方も考慮する必要があるとされています。

男性の多様性と強さ・弱さ

男性の多様性について議論され、強さや弱さにも様々な種類があると認識されました。頑張らないコミュニケーションの重要性も指摘されています。

参加して感じたこと

新鮮な取り組み
男性だけでジェンダーやコミュニケーションについて話すイベントは珍しく、新鮮でした。普段聞けない本音をじっくり話せたことは大きな魅力です。

少人数で安心して話せる
少人数のワークショップ形式だったため、初対面でも気軽に悩みや意見が出しやすい雰囲気でした。一人ひとりの意見に深く寄り添えるのが良かったと感じています。

男性の抱える悩みの深刻さ
これほど多くの男性が深刻な悩みを抱えているとは正直驚きました。男性の「弱さ」を認めにくい社会であることを再認識し、こうした場の必要性を痛感しました。

レポートの偏りへの注意
少人数のワークショップという性質上、出てきた意見や悩みには偏りもあり、あくまで参加者の声の一例として捉えて下さい。今後、多様な人々が参加することで、さらにバランスの取れた議論が可能になると感じました。

下記は、当協会がこれから協力できる課題としてまとめた図解です。

投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

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