以前、当協会の関係性コンディショニングの講座を受講した参加者の方から、次のような質問をいただきました。『私のところは夫婦喧嘩が多く、一度喧嘩をすると仲裁に入った友人まで巻き込むことがあります。いざ喧嘩になると学んだことで何から始めたら良いか分からなくなります』
このご質問にお応えする形で、今回は前編と後編に分けて、夫婦喧嘩の解決策について考えてみました。
なぜ夫婦は些細なことで喧嘩してしまうのか?
「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言われますが、あなた自身、夫婦の喧嘩に巻き込まれたり、周囲の夫婦が些細なことで激しく衝突する様子を見たりした経験はありませんか?なぜ、親密であるはずの夫婦でさえ、小さな出来事をきっかけに感情的な対立が生まれてしまうのでしょうか。
夫婦喧嘩は多くの場合、一見すると些細な出来事が原因のように見えます。しかし実際には、その出来事以前に積み重なってきた小さな不満や誤解が絡み合い、複雑に影響しあった結果として起きていることがほとんど。例えば、パートナーが「いつも散らかしてるね」と何気なく言った一言に対して、過去の小さな指摘や注意が積もり積もっていたために、抑えていた感情が突然爆発してしまうことがあります。
仲裁役が問題を悪化させるケース
こうした状況を改善しようと第三者が良かれと思って介入すると、かえって問題がこじれる場合があります。友人が「まあまあ、落ち着いて」と一方をなだめようとするあまり、もう一方がますます感情的になり、問題がさらに拡大してしまうことがあります。結果として、仲裁役自身が喧嘩に巻き込まれてしまうケースも少なくありません。
このように問題が複雑になる根本的な原因は、「相手の気持ちや状況が観えていない」ことにあります。表面的な解決や対症療法では、この「観えない根っこ」を取り除くことは難しく、喧嘩が起きた時ほど、相手の観えない気持ちや背景を想像することが大切です。
今日からできる3つの実践
今日からすぐに取り入れられる具体的なアクションを3つご紹介します。これらの方法は、冷静さを取り戻し、相手への理解を深め、感情的な衝突を和らげる効果があります。
- 喧嘩が始まりそうな時、まず深呼吸をして感情を落ち着かせる
- 相手の行動や言葉の裏にある気持ちや背景を考えてみる
- 感情的になった時は一旦会話を中断し、冷静になれる時間を作る
この3つを実践することで、問題の本質に気づくためのヒントが見えてきます。
次回はさらに、この「観えない根っこ」を詳しく掘り下げ、相手の感情や状況を正しく把握する質問の仕方や、誤解を避けるための具体的なコミュニケーション方法をご紹介します。
あとがき
ある友人が夫婦喧嘩のたびに「今、自分は相手の何が観えていないのだろう?」と自問する習慣を実践したそうです。その結果、喧嘩の回数が減り、パートナーとの理解が深まったそうです。「観えない部分」を意識するだけで、人間関係は劇的に改善することを実感しました。
投稿者プロフィール

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武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。
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