心を開くことから始める

誰もが、自分だけの「居場所」を求めているのではないでしょうか。それは、単に家族や友人、職場といった物理的な場所だけでなく、心から安らぎを感じられる精神的な場所でもあります。では、その居場所を見つけるために、私たちは何から始めれば良いのでしょうか?

まずは、心を開くことから始めましょう。多くの人は、自分の本音や感情をなかなか表に出さず、他者にどう思われるかを気にしてしまいます。しかし、心を閉ざしていては、本当に安心できる場所を見つけることは難しいかもしれません。

私自身、ある友人との経験を通じてこのことを実感しました。新しい職場に移ったばかりの頃、私はなかなか周囲に溶け込むことができず、自分の意見を控え、周りに合わせることばかり考えていました。しかし、ある日、ランチの時に「最近少し悩んでいること」を正直に話してみたところ、同僚から共感の声が寄せられ、少しずつ自分の気持ちを開くようになりました。その結果、職場で自然に安心できる場所ができたのです。

このように、自分の感情や考えに正直になることが、居場所をつくるための大切な第一歩です。無理に完璧であろうとせず、時には不完全な自分も受け入れることが必要です。自分の内面を受け入れることで、自然体でいられる瞬間が増えていき、他者との関わりも楽になります。

他者との関係を築く

居場所は、他者との関係の中でつくられるものです。そのためには、まず相手に興味を持ち、共感する姿勢が大切です。相手に心地よい空間を提供することで、自分にも居心地の良い場所が生まれます。

私が参加したある地元のイベントで、初対面の参加者に「どうしてこのイベントに参加しようと思ったの?」と聞かれたことがきっかけで、自然と会話が広がりました。共通点を見つけることで、私も相手に質問をし、興味を持つことができました。この経験を通じて、他者との関係が自分の居場所をつくる重要な要素であることを実感しました。

ゆっくりと居場所を見つける

居場所をつくるには時間がかかります。「すぐに理想的な場所を見つけたい」と焦る必要はありません。新しい環境や人間関係に不安を感じることもあるかもしれませんが、焦らず一歩一歩進むことが大切です。

そして、最も大切なのは自分自身に優しくなること。失敗や弱さを受け入れ、自分を責めすぎないことで、心の余裕が生まれます。以前、ある友人が仕事で失敗した時、彼は自分を責め続けていましたが、自分を許し、次の挑戦に目を向けたとき、再び自信を取り戻し、居場所を見つけたのです。

自分に優しくなり、心を開くことで、自然と居場所が見つかっていきます。たとえ新しい環境に不安を感じても、少しずつ自分自身や他者と向き合うことで、安心できる場所をつくることができるでしょう。

投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

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