居心地の良い居場所とは、どんなところでしょうか? それは、物理的な場所なのか、心の中にある感覚なのか。人それぞれ、違う答えがあると思います。私にとっての居心地の良い場所、それは講座でワークショップをしている時です。参加者と直接コミュニケーションをとりながら、互いに学び合い、成長する瞬間に立ち会えることがとても特別で、自分自身も新たな発見ができるからです。参加者の情熱を感じながら、一緒に何かを創り上げている感覚が、私にとって心から安心できる場所。

居場所を見失うことと見つける瞬間

自分自身の居場所を見つけることは、時に難しく、そして時間がかかるかもしれません。私もそうでした。日常の中で、仕事や家庭、人間関係に追われ、どこに自分の居場所があるのか、見失いがちです。仕事のプレッシャーに押しつぶされそうな時、家事や育児に追われて自分の時間が取れない時、私たちは自分の居場所を簡単に見失ってしまうことがあります。

でも、ふとした瞬間に「ここだ」と思える場所が見つかることがあります。それは、誰かと深く共感し合えた時、自分の強みや価値を認めてもらえた時、あるいは自分自身が新たな発見をした時です。

例えば、昔から好きだった趣味を再び始めた時に、「これが私の居場所だ」と感じたり、絵を描くことやピアノを弾くことなど、自分が心から楽しめる活動に没頭することで、再び自分の居場所を見つけることができます。あるいは何気ない会話の中で、自分の気持ちを理解してくれる友人と心から笑い合えた瞬間に、ふと「ここが私の居心地の良い場所だ」と気づくこともあるでしょう。そういった小さな瞬間の積み重ねが、私たちの人生にとって大切な「居場所」を作ってくれます。

居心地の良い居場所は、ただ安定しているだけでなく、自分が自分らしくいられる場所。安心して他者とつながり、素の自分をさらけ出せる場所。友人と何気ない会話を楽しむカフェや、家族とリラックスして過ごすリビングルームなど、自分を偽らずにいられる場所がそうです。そんな場所にいると、心が軽くなり、未来に対する希望が自然と湧いてきます。

それは、誰もが経験する自然なプロセスであり、すぐに見つからなくても焦らなくていいのです。見つける過程も人生の大切な一部。その中で、自分の新たな一面に気づき、困難を乗り越える力を身につけることができます。この経験は、自己成長の機会であり、自分をより深く理解し、強くなるための貴重なプロセスです。

自分の居場所を見つけることの大切さ

私は、講座を通じて多くの方々と出会い、その一人ひとりが自分自身を見つける瞬間を目の当たりにしてきました。人それぞれが持つ「自分の居場所」は、一つの形や定義に収まるものではありませんが、共通しているのは、その場所が「自分を許し、認めてくれる場所」であるということ。そういった場所を見つけた時、人は自然に笑顔になり、心からの安心を感じます。

私たちの生活は、変化の連続。その中で、自分の居場所を見つけることは、大きな力を与えてくれます。どこで、誰と過ごすか、そしてそこに安心や居心地の良さを感じられるかどうか。そのために自分の気持ちに正直に向き合い、日々の中で小さな発見を積み重ねることが、人生を豊かにするカギとなるはずです。

あなたにとっての居場所とは

今、あなたにとっての居心地の良い居場所はどこですか? その場所で、あなたは自分らしさを感じられていますか? もしまだ見つかっていないのなら、どうか焦らず、自分自身に優しく問いかけてください。その居場所は、きっとあなたのすぐそばに、見つかるのを待っているはずです。そして、それを見つけるための小さな一歩を、今日から始めてみてください。

小さな実践

日々の中で「心が少しでも安らぐ瞬間」を意識して見つけてみましょう。それは、好きな音楽を聴く時間でも、心から笑える友人との会話でも構いません。小さなメモ帳やスマホに、その瞬間を書き留めてみてください。それを積み重ねていくことで、自分にとっての居心地の良い居場所を少しずつ明確になるはずです。

投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

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