人は誰しも、自分が心地よくいられる「居場所」を無意識に探しています。家庭、学校、職場、友人関係など、様々な場面で居場所を見つけようとしますが、他人に合わせるあまり自分らしさを見失うことも少なくありません。では、どうすれば「自分らしさ」を保ちながら、心地よい居場所を見つけることができるのでしょうか?

自分らしさを知ることが第一歩

「自分らしさ」とは、自分の価値観や個性を大切にすること。他人の期待に応えるのではなく、自分が何を大事にし、どんな性格を持っているのかを理解することから始まります。自分を知り、それを尊重することで、他人とも無理なく付き合うことができるようになります。

私の場合、田舎から遅れて東京の美大に入ったことで劣等感を抱いていました。人見知りな性格もあり、最初は他人と関わるのが億劫でした。しかし、少人数でのコミュニケーションは居心地が良く、自然体でいられることに気づいたのです。無理に自分を変えず、ありのままでいることが「自分らしさ」を大切にする一歩だと実感しました。

他人に合わせすぎると、自分を見失う

新しい環境では、友達を作ろうと周囲に合わせることが多くなります。しかし、それが過度になると、自分が本当に求めているものが見えなくなり、疲れを感じるようになります。私も大学生活の中で、無理に社交的になろうとした結果、心がすり減る感覚を覚えました。そこで学んだのは、「自分が心地よいと感じることに正直でいること」の大切さです。

例えば、大学のバイトが忙しい中でも、少人数の友人たちと落ち着いた会話を楽しむことで、自分らしくいられると実感しました。ある日、友人から「君といると落ち着く」と言われたことで、自分らしさを大切にすることが、他者にも良い影響を与えると確信しました。

自分を無理に変えず、自然体でいることは、周囲にも良い影響をもたらします。自分がリラックスしていると、周りの人も気を許し、自然に接してくれるようになります。結果として、信頼関係が深まり、無理なく心地よい人間関係を築くことができます。

自分に合った居場所を見つける

もちろん、すべての場所で自分らしくいられるわけではありません。社交的な場面が求められることもありますが、「ここは自分の居場所ではない」と感じるのは大切なサインです。自分に合った場所とは、自然体でいられる場所。無理に自分を変えるのではなく、自分らしさを保てる環境を探すことが大切です。

「自分らしさを大切にすること」は、心地よい居場所を見つけるための入口。他人に合わせすぎて自分を見失うと、長期的に見ると疲れてしまいます。しかし、自分を知り、自分のペースで周囲と関わることで、自分らしい居場所が自然と見えてくるはずです。


小さな実践

  1. 毎日5分、自分と向き合う時間を持つ
    一日の終わりに、今日どんな場面で自分らしくいられたかを振り返る。小さなことでも、自然体でいられた瞬間を認識し、それを積み重ねることで自信につなげる。
  2. 「無理をしていないか?」と自分に問いかける
    他人に合わせすぎて疲れを感じたら、「今の自分は無理をしていないか?」と問いかける。「はい」と感じたら、少し距離を置いてリフレッシュする勇気を持つ。
  3. 自分の「好き」や「興味」を表現する
    誰かと会話するとき、自分が好きなことや興味のあることを一つ話してみる。小さなことでも、自分らしさを伝えることで、自然体でいられる関係性を築く。

投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

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