夫婦関係の改善に必要な「関係性チェックイン」とは?
パートナーとの関係が良好に見えても、知らないうちにすれ違いが生じることがあります。「関係性チェックイン」とは、私が考案した造語であり、パートナー同士がお互いの感情や考えを定期的に共有し、関係の状態を確認するための時間です。これを通じて、小さな問題を早期に発見し、解決に向けての対話を促進することができます。パートナー間の理解を深め、関係を健全に保つために非常に有効な方法です。
長年のパートナー関係とコミュニケーションの重要性
長年の結婚生活では、パートナー関係が変化するのは自然なことです。しかし、その変化に対応せず、関係を放置してしまうと問題が生じやすくなります。私が関係性コンディショニングコーチとして受ける相談の中でも、コミュニケーション不足に悩むパートナーは少なくありません。たとえば、仕事から帰宅後に会話がなく、互いに孤独感を抱えてしまうケースや、家事や育児の負担が一方に偏ってストレスがたまる状況などです。また、価値観の違いが原因で衝突するパートナーも多く見られます。
男女のコミュニケーションスタイルの違い
こうした問題の背景には、一般的に言われる男女のコミュニケーションスタイルの違いがあります。例えば、あるパートナーの相談では、妻が感情を共有したいのに対し、夫が解決策ばかりを提示してしまい、結果としてすれ違いが生じたというケースがありました。男性は問題解決にフォーカスしがちで、具体的な成果や結果を重視する傾向があります。一方で、女性は感情の共有や共感を重視し、コミュニケーションを通じて感情的なつながりを求めることが多いです。この違いが、すれ違いや誤解の原因となることがあります。
妻が感情を共有したいときに、夫がすぐに解決策を提示するだけでは、妻の気持ちは満たされないことがあります。このような状況では、夫がまず共感を示すことで、妻は安心感や満足感を得ることができます。例えば、妻の話を最後まで聴き、「その気持ち、理解できるよ」と言葉にして伝えるだけでも、妻は自分の感情が認められたと感じることができます。こうした細やかな配慮が、関係を改善する第一歩です。
定期的な「関係性チェックイン」の効果
パートナー間のコミュニケーションスタイルを理解したうえで、定期的に「関係性チェックイン」の時間を設けることが非常に有効です。この「関係性チェックイン」は、私が提案するパートナー間の関係強化のための独自の方法です。この時間を使って、お互いの感情や考えをオープンに共有することで、問題を早期に発見し、対処することができます。
実際の「関係性チェックイン」は次のステップを含みます:
- タイミングを決める - 毎週一度、落ち着いて話せる時間を設定します。
- テーマを決める - 「最近気になっていること」や「感謝したいこと」など、テーマを事前に決めます。
- 話を聴く姿勢を持つ - 互いの話を中断せずに最後まで聴き、共感を示します。
この対話の時間を持つことで、長年一緒に過ごしてきたパートナーでも新しい発見があり、より深い理解を得ることができます。
家庭内の役割分担と価値観の共有
また、家庭内の役割分担を見直すことも重要です。家事や育児の負担が一方に偏らないよう、具体的にタスクをリストアップし、均等に分担することで、不満やストレスを減らすことができます。役割分担の際には、具体的な時間帯や頻度を調整し、双方が無理なく取り組めるようにすることも効果的です。例えば、「週に一度、夫が夕食を担当する」や「掃除をローテーションする」などの具体的な方法を決めることが効果的です。これにより、家庭内のバランスが保たれ、互いの負担が軽減されます。
さらに、価値観の違いが衝突の原因となる場合は、共通の目標を見つけることが関係を改善する鍵となります。二人で楽しめる趣味や定期的なアクティビティを共有することで、パートナー間の絆を深め、互いの価値観を尊重し合える時間を持つことができます。

「素直になる」ことで楽に生きる
最後に、私がパートナー関係で学んだ一つの大切なことは、「素直になる」ことです。かつては、私は自分の「べき論」を押し付けてしまいがちでしたが、素直に物事を見つめ、相手の考え方を受け入れるように心がけることで、パートナー関係は大きく変わりました。素直な心で物事を見つめるとは、自分の感情や固定観念にとらわれず、相手の立場や状況を受け入れる姿勢を持つことです。こうすることで、何が大切で、何が本質的なのかが自然と見えてきます。パートナーとの関係においても、相手の意見を受け入れることで、関係がよりスムーズになります。
ぜひ、今週末に15分間、パートナーとの「関係性チェックイン」の時間を設けてみてください。まずは小さな一歩から始めることで、お互いの気持ちを共有し、より良い関係を築くことができます。
投稿者プロフィール

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武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。
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