私たちが日常的に使う言葉は、相手との関係を築くための重要なツールです。しかし、適切な言葉を選ばなければ誤解や対立を招くこともあります。コミュニケーションにおける言葉の選び方は、良好な人間関係を築くために欠かせない要素です。
建築業務におけるコミュニケーションの実践
私は長年、建築設計業務に携わり、多くの異なる立場の人々と関わってきました。お施主様や建築専門家とのコミュニケーションでは、単なる指示や説明にとどまらず、コーチング的なアプローチを取り入れることで、相手の立場やニーズを尊重しながら進めています。こうしたコミュニケーションは、誤解を防ぎ、より良い結果を生むための鍵となります。
例えば、水道設備会社の担当者とのやり取りが、コミュニケーションの重要性を実感した場面の一つです。友人宅のキッチンの水漏れに対応する際、事前に友人との関係を説明していたにもかかわらず、担当者が初対面で強い口調で「あなたは○○さんとどんな関係なのか?」と尋ねてきました。この質問は失礼に感じましたが、冷静に対処することで、無用な対立を避けることができました。このように、相手の言葉の背景にある感情や不安を理解しながら対応することで、不要な緊張を回避し、スムーズな対話が可能となります。
言葉の選び方と感情のコントロール
この経験から学んだのは、言葉の選び方が相手に与える影響を常に意識し、感情をコントロールすることの重要性です。特に感情的な場面では、まずは一呼吸置き、冷静に言葉を選ぶことが大切です。たとえば、「その意見には少し疑問があるけれど、どうしてそう考えたのか教えてくれる?」といった柔らかな言葉を選ぶことで、対立を避け、建設的な対話が進みます。
「言霊」という考え方もまた、ポジティブなコミュニケーションの一助となります。発した言葉が現実に影響を与えるというこの考えに基づき、ポジティブな言葉を使うことは、良い結果を生む可能性を高めます。たとえば、感謝や賞賛の言葉は、相手との信頼関係を強化し、より協力的な関係を築くことに繋がります。
感情的な瞬間の対処法
感情的な瞬間に冷静さを保つためには、いくつかの具体的なステップがあります。たとえば、深呼吸をして感情を落ち着かせたり、一度メモに自分の感情を書き出すことで、自分の気持ちを整理し、冷静に対処することができます。また、「自分はこう感じている」「こうしてほしい」という具体的なリクエストとして伝えることで、相手もこちらの意図を受け入れやすくなります。
【小さな実践】
常に相手に対する配慮を忘れない。たとえば、忙しいときに「後で」とだけ伝えるのではなく、「ちょっと今手が離せないけれど、後で詳しく話を聞かせて」と一言加えるだけで、相手に対する思いやりが伝わり、信頼関係が築かれる。この小さな実践の積み重ねで、より良い人間関係が生まれる。
投稿者プロフィール
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武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。
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