起業で多くの人がつまずく理由
起業を決めたとき、多くの人は「覚悟はできている」「絶対にやり切る」などと考えて始めます。ところが、いざ始めてみると、自分で決めたことが続かない。やる気がなくなったわけでも、サボっているつもりでもないのに、なぜか行動が止まってしまう。そして次第に、「自分は意志が弱いのではないか」「やはり起業には向いていないのか」と、自分を責め始めてしまう人も少なくありません。
しかし、実はそこにあるのは“あなたの弱さ”ではなく、人としてごく自然な心の仕組みです。このコラムでは、起業が続かなくなる本当の理由と、意志に頼らず前に進むための考え方を、私自身の経験を交えてお伝えします。
起業したとき、一番ネックになることは何だと思いますか。それは、やっとの思いで最初の一歩を踏み出し、新しいことを始めたにもかかわらず、「自分で決めたことが継続できない」ことです。多くの方がここで立ち止まり、「やっぱり自分には無理なのかもしれない」と感じてしまいます。
でも、ここで自分を責める必要はありません。なぜなら、起業するまでの多くの人は、ある程度安定した日常を過ごしてきたからです。未知の世界に踏み出すことに対して、心や体がブレーキをかけるのは自然な反応です。脳は痛みを避け、快楽を求めます。現状維持を選ぼうとするのは人間の本能であり、「続けられない自分」は意志が弱いわけでも、覚悟が足りないわけでもありません。
とはいえ、起業を選んだ以上、完全に元の場所へ戻ることは難しくなります。だからこそ、ほんの1ミリでも前に進み続ける必要があります。そのために重要になるのが、マインドセットです。
マインドセットとは
以前の私は、マインドセットを「自分との約束」と表現していました。今でも、この言葉が力になる人がいることは事実だと思っています。ただ、10年経った今だからこそ、こうも感じます。「約束」という言葉は、ときに自分を追い詰めてしまうことがある、と。
本質的なマインドセットとは、「自分をどう扱うかについての前提」や「自分との関係性の持ち方」ではないでしょうか。守れない自分が出てくることも含めて、どう設計するか。そこに目を向けない限り、継続は長続きしません。自分を律するための言葉ではなく、自分と協力するための視点として、マインドセットを捉え直す必要があると感じています。
続けられない自分を責めない仕組み
私自身も、かつては「自分との約束」を守れない人間でした。やろうと決めたことが続かず、そのたびに自己嫌悪に陥る。すると気力が落ち、さらに行動できなくなる。この悪循環を何度も経験してきました。続けられない苦しさの正体は、行動そのものよりも、「できなかった自分を責め続ける心の消耗」だったのだと、今ははっきり分かります。
そこで私が取り入れたのが、「習慣化プログラム」という考え方。これは根性論ではありません。思考習慣と行動習慣を組み合わせ、「頑張らなくても続いてしまう状態」を意図的につくる仕組みです。習慣は成果を出すための手段であると同時に、自分を守るためのコンディショニングでもあります。
今でこそ私は、メールマガジン羅針盤を、ほぼ自然に発行できています。しかし、最初から自信があったわけではありませんでした。そこで、自分が無理なくできる範囲に絞り、毎週1回必ず発行するという小さな習慣化プログラムを作りました。最初は意識して行っていたことも、次第に「やらないと気持ちが悪い」感覚に変わっていきました。
意志ではなく「設計」で前に進む
習慣が定着すると、起きたら歯を磨くように、特別な決意をしなくても自然に行動できるようになります。ここで重要なのは、習慣が「自分を追い込むもの」ではなく、「自分を責めなくて済む状態をつくるもの」になることです。
起業すると、日々のルーティンワークは一気に増えます。メルマガの発行、ブログやWebの更新、メールチェック、コンテンツ作り、講座の準備。これらを後回しにすると、先延ばしが積み重なり、心の余裕を奪っていきます。しかし、これらを習慣化プログラムとして整理すると、決められた時間の中で淡々と取り組めるようになり、「できていない自分」を責めるエネルギーを使わずに済みます。
起業に必要なのは、強い意志や才能ではありません。必要なのは、続けられるように自分を整える設計です。それは、自分を縛ることではなく、自分と協力することです。あなたが今、一番習慣化したいことは何でしょうか。それを「頑張って守る約束」にするのか、それとも「自然に続いてしまう仕組み」にするのか。その選択が、これからの歩みを大きく左右します。
セルフコンディショニング
ここまでお伝えしてきたように、起業が続かなくなる理由は、意志の弱さや覚悟の問題ではありません。多くの場合、自分の心や行動の扱い方を学ぶ機会がなかっただけです。私たちは、他人との関係性については学ぶことがあっても、自分自身との関係性を整える方法については、ほとんど教わらないまま大人になります。
協会の看板講座である「セルフコンディショニング」は、まさにその部分に焦点を当てた講座です。感情や思考、行動のクセを理解し、整え、無理なく前に進める状態をつくっていきます。頑張り続けるための講座ではなく、頑張らなくても続いてしまう自分を育てるための学びです。
マインドセットの土台となる「自分との関係性」を整えることが、結果として継続力や行動力につながっていきます。セルフコンディショニングは、あなたがあなたの一番の味方でいられる状態をつくるための、実践的な入口として、習慣化プログラムという視点を、ぜひ取り入れてみてください。
投稿者プロフィール

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武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。
マイベストプロ
https://mbp-japan.com/kyoto/hirokobashi/
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