――小さなこだわりが、人生を支える力になる。
71歳の誕生日を迎えるにあたり、ふとそんな思いが胸をよぎりました。一見すると取るに足らないように見えるこだわり。振り返ると、自然に行きつくのはやはりテニスでした。

幼なじみとの約束
中学生の頃、幼なじみと二人で軟式テニスを始めました。当時はテニスコートもなく、荒地を整地して手づくりのネットを張り、夢中でラケットを振っていました。やがて進学先は別々となり、生活も離れてしまいましたが、「社会人になったら硬式テニスクラブを作ろう」と約束し、その夢は一度は叶いました。
数年間は共に汗を流しましたが、私が東京へ行き、しばらくして実家に電話を入れたとき、彼はすでにこの世にはいないと知らされました。驚きと共に残されたのは、彼の言葉です。
「ごばちゃんは体が元気なのだから、二人で始めたテニスは、年をとっても続けてよ」
思い出を生きる力に
彼が動けなくなってしばらくして、私は実家に帰るたびに彼の家を訪ね、思い出話をしました。ある日、私は残酷な問いかけました。
「君はこれから何を支えに生きるの?」
彼は静かにこう答えました。
「思い出があれば自由に楽しく生きられる」
この言葉は今も私の心に強く刻まれています。
静かな時間に思い出す言葉
私は入院するたびに思うことがあります。体が動かず、長い時間を一人で過ごすと孤独や空しさが募り、「生きる意味を見失う」ように感じてしまうのです。その時に思い出すのが、彼の最後の言葉でした。
「思い出があれば自由に楽しく生きられる」
だからこそ私は、できるだけたくさんの思い出を脳に詰め込んでおこうと思っています。私のことですから、詰め込みすぎて、どの引き出しに何の思い出があるのかわからなくなるかもしれませんが(笑)、それもまた自分らしい生き方なのだと思います。
そうして培った思い出が、再びテニスの記憶へと私を導いていきます。
思い出がつなぐテニスの記憶
思い出の言葉を胸に、私は社会人になってからも忙しい合間を縫ってテニスを続けました。無理をして肘を痛め、ラケットを右手から左手に持ち替えて再びスクールに通ったこともあります。負けたくない一心で必死に練習を重ねた日々もありました。
しかし、やがて膝を痛め、ラケットを置かざるを得ませんでした。それでも心の奥では「友との約束」が消えることはありませんでした。
71歳を迎えて
今日、71歳を迎えるにあたり、私は思います。もうパワーテニスはできなくてもいい。ただ再びコートに立ち、ボールを打ち返せるだけで幸せだと。
私の体験を振り返ると、そこには協会の理念にも通じる大切な示唆がありました。
私たちの協会の理念と考え方にあるように、
- 人は、自分が考えた通りの人間になっていく
- 小さなこだわりは、人生に大きな力を与える
- 思い出は、未来を生きる力になる
テニスを続けることは、私にとって「もう一つの居場所」を見つけることでもありました。きっと誰にでも、自分らしくいられる場所があります。この経験を通して私が感じたことは、思い出やこだわりが未来を生きる力になるということです。
あなたにとっての「もうひとつの居場所」はありますか。小さなこだわりが、人生の支えになるかもしれません。――誕生日に、そんなことを思いました。
投稿者プロフィール

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武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。
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