「ジェネレーションギャップ」という言葉は、人間関係を語るときによく使われます。特に職場や家庭といった身近な場面では、しばしばネガティブな意味合いで語られがちです。しかし私は、このギャップをむしろ楽しめる要素だと思っています。

世代の違いで新たな発見!

あなたは、世代の違う相手との会話で「話がかみ合わないな」と感じたことはありませんか?でも、ちょっと視点を変えてみると、そのギャップには新しい発見や刺激が詰まっているかもしれません。

私とパートナーとは14歳の年齢差があります。この年齢差が面白いのは、親子ほど離れているわけではなく、共通点と相違点が絶妙に入り混じっているところです。例えば、私たちは共に映画や読書が好きですが、好むジャンルやテーマには違いがあります。だからこそ会話の話題が尽きることはなく、いつも新たな視点や発見が生まれます。

新鮮な刺激を楽しむ

最初は、それぞれの世代に根づく常識や文化、流行の違いに戸惑うこともありました。彼女が学生時代に夢中になっていた音楽やテレビ番組の話には、私が知らないものも多く、会話がかみ合わないこともしばしば。でも、その“ズレ”こそが、私たちにとっては新鮮な刺激になっています。

互いに知らないことに対して「なぜ知らないの?」ではなく、「それってどんなもの?」という興味の気持ちを大切にしています。ある日、彼女が90年代に人気だったアーティストについて話してくれたとき、私はその名前を初めて聞きました。でも、彼女が目を輝かせながら、そのアーティストを好きだった理由や当時の思い出を楽しそうに語る姿を見て、私もまるでその時代を少し覗き見たような気持ちになれたのです。

また、私が深く感動した映画『パピヨン』について話したときには、彼女はその存在すら知りませんでした。私は、無実の罪で投獄された主人公が何度も脱獄を試み、自由を求める姿や、1970年代の社会的背景について語りました。彼女はじっと耳を傾け、時折「それでどうなったの?」と興味津々な表情で尋ねてくれました。単なる映画紹介ではなく、その時代の空気感まで共有できたようで、互いにとってとても豊かな時間になりました。

ジェネレーションギャップはチャンス

一方で、私がSNSアプリや最新の動画配信サービスなど、若い世代の文化について話すと、彼女はいつも好奇心いっぱいの目で聞いてくれます。「教えてほしい」と素直に言い合える関係が、私たちのコミュニケーションを温かく、前向きなものにしています。

興味深いのは、同じものを観たり経験したとしても、世代によって受け取り方が異なるということです。映画を観ても、ある世代は「懐かしさ」を感じ、別の世代は「新鮮さ」を感じる。その違いが会話の深みを生み、互いの価値観や視点に触れることで、より豊かなコミュニケーションが生まれます。

世代の違いによって生じるギャップは、決して障害ではありません。それは、互いの好奇心をくすぐり、新しい発見を生み出すチャンスでもあります。「知らないこと」を不安や壁として受け取るのではなく、「知りたいこと」として楽しむ姿勢があれば、人間関係はもっと豊かに育っていくような気がします。

世代の違いを超えて

私たちのように、少し年代が違うパートナーシップであっても、そのギャップを前向きに楽しむことで、日常のコミュニケーションがより鮮やかになります。世代を超えたつながりの中に、思いがけない豊かさを見出してみるのも楽しいものです。

もしあなたの身近に、自分とは異なる世代の人がいたなら、ぜひ一度「それってどんなもの?」と尋ねてみてください。そこには、思いがけない発見や心の通い合いが待っているかもしれません。

あなたが今すぐできる3つのこと

  1. ジェネレーションギャップを感じたら、「知らない」ことを否定せず、「それってどんなもの?」と相手に興味を持って質問してみる。
  2. 自分の好きなものや世代特有の話題を話す時は、「なぜそれが好きだったか」「どんな思い出があるか」といった体験を共有する。
  3. 世代の違う相手との会話を「ギャップを埋める」ではなく、「ギャップを楽しむ」という意識を持つ。

投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

マイベストプロ
https://mbp-japan.com/kyoto/hirokobashi/