昨日、パートナーがこんなことを言いました。
「私は豆苗が大好きなのに、近頃、買うのがおっくうになった」
どうしてか聴いてみると、「豆苗は1度食べても、育てればもう1度食べられる。でも、2度目を育てるのが面倒なイメージがだんだん強くなって、豆苗を見ると『面倒だからいらない』と思ってしまう」

実は私も10年以上前の話しですが、東京で受講したセミナーの内容をまとめて、自分のコンテンツの参考にしようと、動画を見返すつもりでいたのです。ところが、講師のひとりが、会う前に想像していた人物像と違って、少し苦手なタイプでした。たったそれだけのことで、私はそのセミナー動画を観たくなくなっていました。豆苗も、セミナー動画も、本来は「やりたいこと」「やった方がいいこと」のはずです。それなのにブレーキがかかる。この「気が進まない」の正体を、今日は少し整理してみたいと思います。
「気が進まない」は、3つの入り口から生まれる
私はこうした心のブレーキを、便宜上「小さなトラウマ」と呼ぶことがあります。ただし、ここで言うトラウマは、心に深い傷を残す深刻なものとは区別してください。日常で誰にでも起こる、ごく小さな「条件づけ」や「思い込み」のことです。そして、この小さなブレーキには、生まれ方が3つあります。
① 積み重なって生まれるタイプ(豆苗型)
豆苗を育てる作業そのものは、本当はたいした手間ではありません。けれど「面倒だ」という感覚が、回を重ねるごとに少しずつ強化され、ある時から「豆苗を見る」だけで「いらない」が自動で立ち上がるようになります。一つひとつは小さなストレスでも、積み重なるとブレーキに育つ――これが一番気づきにくいタイプ。
② 連想で広がるタイプ(セミナー型)
私の場合がこれです。苦手なのは「講師ひとりの人柄」だけのはずなのに、その苦手意識が、その人に関係するもの全体――セミナー動画そのもの――にまで広がってしまう。一点の苦手が、面で回避に変わる。人間関係でよく起こるタイプ。
③ 一瞬で刻まれるタイプ(イヌ型)
イヌをカワイイと思って不用意に触り、噛まれたとします。すると「イヌ→カワイイ」が「イヌ→コワイ」に書き換わり、鳴き声を聞いただけで逃げ出したくなります。たった1度の強い体験が、その場で潜在意識にプログラムされる。これが、もっとも分かりやすいタイプ。
共通しているのは「身体が先に反応する」こと
入り口は3つに分かれますが、行き着く先は同じです。いずれも潜在意識にプログラムが書き込まれ、それが作動すると、考えるより先に身体が「やりたくない」と反応します。だから本人は、自分が怠けているように感じてしまう。ここが大切なところです。あなたは怠けているわけではありません。ブレーキを踏んでいるのは、あなたではなく、過去に書き込まれたプログラムの方です。
プログラムは、書き換えられる
そして、このプログラムはポジティブなイメージに書き換えることができます。最近では、ブロックを一瞬で外す技法も実際に存在します。一方で、私自身のワークでは、書き換えに90分ほどの時間をかけます。一瞬で外れるものもあれば、じっくり向き合う必要があるものもある、ということです。どちらにせよ、「気が進まない」は性格でも能力でもなく、書き換え可能なプログラムだということ。まずはそれを知っておくだけでも、自分への見方が少し変わるはずです。
最後に、ひとつ問いを
あなたの中に、やらないといけないのに、なぜか気が進まないことはありますか。もしあるとしたら、それは怠けではなく、気づいていないだけで、小さなブレーキがそこにいるのかもしれません。その正体が「豆苗型」なのか、「セミナー型」なのか、「イヌ型」なのか。今日はまず、そこに目を向けてみるところから始めてみてはどうでしょうか。
投稿者プロフィール

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武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。
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