8月25日午前10時、病院が手配してくれた介護タクシーに車椅子ごと乗り込み、新たに音羽リハビリテーション病院へ転院しました。すでに3度の部屋移動を経験してきたため、そのしんどさを思うと少し気が重くもありましたが、移動自体は無事に済みました。

用意された部屋は日額1万円の個室でした。希望したわけではなく、4人部屋が空くまでの応急的な処置とのことでしたが、実際に過ごしてみるとその快適さに驚きました。トイレと洗面が部屋に備え付けられ、テレビや携帯も音量を気にせずに使える環境は、今の私にとってまさに「天国」でした。

一般病室ではトイレに行くたびに気を使い、痛みを堪えながら歩いても使用中であればまた部屋まで戻らなければならず、その負担は相当なものでした。その点、個室では気兼ねなくトイレを使うことができ、自由に自主リハビリも行えます。仕事の能率も考えると、これから先の入院生活は長くなりますが、今後も個室をお願いすることに決めました。

転院して大きく変わったのはリハビリの時間です。40分のリハビリが1日3回に加え、足の曲げ伸ばし機による30分の訓練もありますので、日中はゆっくりする暇がないほどです。もちろんこれは大歓迎で、身体を鍛える充実感があります。ただ一つ以前の病院と違うと感じたのは、理学療法士の先生方の雰囲気です。

こちらでは必要なこと以外はあまり会話がなく、こちらが黙っていれば静かにリハビリが進んでいきます。対して音羽病院の先生方は、無口な患者さんからも上手に会話を引き出し、相手の様子をよく観察していたように思います。それぞれに特色があるのだと感じています。

また、作業療法士の指導のもと、久しぶりに個室シャワールームで全身を洗うことができました。お湯を浴びて頭から足先まで清潔にできた瞬間、心身ともに解放されるような爽快感を味わいました。

こうして転院後の数日間は、環境の変化と新しいリハビリのスタイルに戸惑いながらも、快適さと新鮮さを同時に感じる日々となりました。

感謝を忘れないということ

個室での生活が始まると、以前の苦労が嘘のように快適に過ごせるようになりました。しかし、人は快適な環境に慣れてしまうと、それが当たり前になり、過去の大変さをつい忘れてしまうものです。私自身も、足の痛みをこらえながらトイレに通った不自由さを、いまや遠い出来事のように感じています。

生活に慣れることは大切です。けれど同時に「感謝を忘れないこと」も心から大切だと思います。支えてくれる人がいて、環境が整えられているからこそ、こうして次の一歩に向かうことができます。そう気づくことが、私にとってのリハビリの一部でもあるような気がします。


読んでくださる方にとっても、この思いは日常に通じるのではないでしょうか。朝の光や食事の時間、誰かのちょっとした言葉――普段なら見過ごしてしまうことも、感謝の目で振り返れば特別なものに変わります。快適さに慣れることと感謝の気持ち、その両方を大切にできると、日々の暮らしがより豊かに感じられるはずです。


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投稿者プロフィール

小橋広市
小橋広市
武蔵野美術大学卒業後、東京の建築デザイン事務所に就職。その後、京都で建築士事務所を設立。人の共通心理をとりいれた店舗や狭小住宅の企画設計を生業としていたが、59歳で心筋の半分以上が壊死する重度の心筋梗塞で倒れ、事務所を廃業。紆余曲折を経て住環境ライフコンディショニングコーチとしてリスタート。近年では、企業研修において、それぞれの組織に応じた内容にカスタマイズし提供している。

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